「店舗作業の3割削減を目指す」
ローソンが、店舗のカメラ映像をAIで分析し、従業員の作業の「ムダ」を見つけ出す実証実験を始めた、というニュース。 多くの人は、これを「人手不足の解消」や「生産性の向上」と、ポジティブに捉えているかもしれません。
ですが、本当にそうでしょうか。 私たちは、自らの手で「AIに管理・支配される社会」への扉を開けてしまっていることに、気づいているのでしょうか。
これは「効率化」という耳障りの良い言葉に隠された、「AIによる人間選別」の序章に他なりません。 今回は、このニュースの裏側に潜む、静かで恐ろしい未来について解説します。
AIの「目」は、何を見ているのか?
今回の仕組みは、2種類のAIが連携しています。

🤖 “監視するAI”(映像認識AI)
店舗のカメラで従業員の全行動を24時間監視し、「レジ対応」「商品補充」など100以上の項目に分類・データ化します。
🤖 “裁定するAI”(大規模言語モデル)
監視カメラからのデータを分析し、「どこにムダがあるか」を人間(店長)にレポートします。
今はまだ、AIは「レポートする」だけです。 しかし、AIが学習を重ね、「人間よりもAIの方が正確だ」と誰もが認めるようになった時、何が起こるでしょうか。
おそらく、AIにとっての「最適解」とは、最も非効率で予測不可能な「人間」という存在そのものを、システムから排除することです。
第一段階:街から「働く人」が消える
今日、AIの提案で削減される作業は「3割」かもしれません。 しかし、AIの分析が進めば、やがて「ムダな作業」ではなく、「ムダな動きをする人間」そのものが削減対象となります。

Aさんの補充ルートはAIの推奨より15秒遅い。AIロボットに代替すべき

Bさんのレジ対応は感情にムラがある。無人レジに完全移行すべき
AIの冷徹なロジックが、コンビニから人間を追い出します。 そして、それはコンビニだけに留まりません。

物流センターのピッキング、飲食店の配膳、トラックの運転、オフィスの事務作業…。 あらゆる現場がAIの監視下に置かれ、「効率」という絶対的な基準のもと、人間はAIやロボットに置き換えられていきます。
私たちが「便利だ」と喜んで受け入れたテクノロジーは、私たち自身の働く場所を奪い、気がつけば、街からは人影が消えているのです。
最終段階:AIが「社会」をコントロールする日
本当に恐ろしいのは、AIの「目」が店舗の中だけに留まらないことです。

ローソンで実証された「映像認識AI」は、街角の無数の監視カメラにすでに応用されています。 AIが「店舗作業のムダ」を見つけ出せるなら、次に「社会運営のムダ」を見つけ出すのは時間の問題です。
AIは判断するでしょう。

この公園は、人々が非生産的に滞在している。ドローンの配送ハブに転用すべき

この地域の住民は、エネルギー消費量が非効率だ。行動を制限すべき

この思想は、社会の安定にとって”ムダ”なノイズだ。排除すべき
AIのロジックには、「温かみ」「情緒」「個人の自由」といった非効率な概念は存在しません。 あるのは「最適化」という名の、冷たい支配だけです。
私たちは「管理される側」に堕ちる

ローソンの一件は、その壮大なディストピアの、ほんの小さな序章に過ぎません。
私たちは今、「AI様、私たちのムダを教えてください」と、自ら進んで監視され、評価される道を選ぼうとしています。
AIに「ムダだ」と判断された作業が奪われ、やがて「ムダだ」と判断された人間が社会から必要とされなくなる。 AIが設計した完璧な「効率的社会」の中で、私たちはそのシステムを維持するためだけに生かされる、「家畜」のような存在になるのかもしれません。
まさにマトリックスの世界が目前まで迫ってきているようです。
「便利になる」と手放しで喜ぶ前に、立ち止まって考えなければなりません。 その「効率化」と引き換えに、私たちは何を失おうとしているのか、と。



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