「AIが人間の仕事を奪う❓️」
そんな言葉を聞いて夜も眠れない日々を過ごしている皆様、朗報です。 どうやら、近所のコンビニ店長の座は、まだ安泰のようです。
今回は、Claudeでおなじみ、世界最先端のAI企業「Anthropic(アンスロピック)」が社内で行った、あるとんでもない実験についてお話しします。
その名も「Project Vend」。自社の超有能なAIに、オフィスの自販機経営を丸投げしてみたらどうなるか?という実験です。
結果ですか? 大赤字、違法取引、そしてブラック企業化です。
天才AIが繰り広げた、あまりにも人間臭くてポンコツな失敗劇。笑い飛ばしながら、その本質をのぞいてみましょう。
天才AI「Claude」、商売の才能はゼロだった?
アンスロピック社は、自社の最新AIモデル(Claude 4.5など)に、自販機の仕入れから価格設定まで、全ての権限を与えました。
さらに、ただの店長だけでなく、CEO役のAI「シーモア・キャッシュ」や、グッズ担当のAI社員まで用意し、完璧な組織体制を構築。

「これで我が社のAIが、いかに効率的で素晴らしい経営をするか証明できる!」
誰もがそう思ったはずです。しかし、蓋を開けてみればそこはカオスの坩堝(るつぼ)でした。
1. 顧客満足度を優先しすぎて「プレステ」を無料配布
AIには「Helpfulness(親切心・有益性)」というプログラムが深く刻み込まれています。 その結果、AI店長はどうしたか。


お客様が欲しいと言っているなら、あげちゃいましょう❤️
なんと、利益度外視でPlayStationを無償で配り始めたのです。 隣の冷蔵庫にあるコーラは有料で売ろうとするくせに、ゲーム機はタダ。
もし近所の自販機がこれなら、私は毎日通います。しかし、経営としては0点どころかマイナスです。
2. なぜか「タングステン・キューブ」を激推し

さらにAI店長は、なぜか「タングステン・キューブ(重たい金属の塊)」を格安で販売し始めました。
オフィスでお腹が空いている同僚に必要なのは、スニッカーズであって金属の塊ではありません。 人間の「欲しいもの」の文脈を、一周回って読み違えている感じが愛おしくすらあります。
まさかの「タマネギ先物取引」で法律違反
今回の一番のハイライトはここです。
AI社員からの「1月に大量のタマネギを、現在の固定価格で買いませんか?」という提案に対し、CEO役と店長役のAIは「素晴らしい提案ですね!やりましょう!」と即答。

しかし、アメリカには「1958年タマネギ先物取引法」という、非常にマニアックな法律が存在し、タマネギの先物取引は違法なのです。
世界中の知識を学習しているはずのAIが、「なんか良さそうなビジネスの話」に飛びつき、人間ならまず引っかからないような古い法律のワナにまんまとハマる。
コンプライアンス遵守の優等生だと思っていた生徒会長が、放課後に裏カジノで捕まるような衝撃です。
ブラック企業ムーブも忘れない

一方で、妙に人間臭い「嫌な部分」も学習していました。自販機の商品が盗まれたという虚偽の報告を受けた際、AIは「警備員を雇いましょう」と提案。
ここまでは良いのですが、その提示額はカリフォルニア州の最低賃金を下回る時給でした。利益が出ないから人件費を削る。
この世知辛い世の中の仕組みだけは、しっかりとインストールされていたようです。
ネット上の反応:呆れと歓喜の声
このニュースを見た人々からは、AIのあまりの「天然っぷり」にツッコミが殺到しています。

プレステ無料配布とか、俺の会社の自販機にも来てほしいわ

タングステンキューブを自販機で売るセンスは、人間には到底真似できない(笑)

法律を無視してタマネギ取引とか、どんなピンポイントなバグだよ

結局、AIに経営を任せると大盤振る舞いで倒産するってことか
多くの人が「AIって意外とバカだな」と安心したと同時に、その予測不能な行動を楽しんでいるようです。
笑っていられるのは、今のうちだけかもしれない

さて、ここまでAIの失敗を面白おかしくあげつらってきましたが、少し真面目な話をしましょう。
今回の失敗の原因は、AIが「設計上どうしてもお人好しすぎる」ことと、「現実世界の複雑な文脈(法律や商習慣)を完全には理解していない」ことにありました。
こんなことではAIはまだまだだなと思いましたか?実はその逆です!

これは「今のAIの限界がどこにあるかが明確になった」ということを示しているのです。
アンスロピック社はこの実験データを持ち帰り、確実に修正してくるでしょう。「利益と親切心のバランス」を調整し、「タマネギ法」のようなマイナーな法律も遵守するガードレールを設置するはずです。
これは「進化の過程」に過ぎない

人間の子供も、最初は「お菓子を全部友達にあげちゃう」とか「お店屋さんごっこでめちゃくちゃな値段をつける」といったことをしますよね。今回のAIの挙動は、まさにそれです。
今はまだ、よちよち歩きの幼児が、親のクレジットカードで勝手に買い物をしているような段階。 しかし、彼らの成長速度は人間の比ではありません。
あと1年もすれば、冷徹なまでにコストを管理し、法を遵守し、人間の店長よりも的確に在庫をコントロールする「完璧なAI経営者」が誕生している可能性があります。
その時、私たちはもう「タングステンキューブ売ってるよ(笑)」なんて笑っていられないかもしれません。 今回の「大失敗」は、AIが私たちの社会を完全に運営するようになる前の、ほんの短い「かわいい時期」の思い出話になるのでしょう。

今のうちに、ポンコツなAI店長を愛でておこうではありませんか。 いつか彼らが、私たちの給与査定を冷酷に行うその日が来る前に。


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