Googleが2026年1月28日に発表した新プラン「Google AI Plus」は、競合であるOpenAIが先日発表したばかりの廉価プラン「ChatGPT Go」を完全に無力化する、極めて攻撃的な一手です。
OpenAIは「月額1,500円で広告あり」という苦渋の選択肢をユーザーに提示しましたが、Googleは即座に「月額1,200円で広告なし(しかもストレージ付き)」という回答を叩きつけました。
今回は、出揃った両社の新プラン体系を横並びで比較し、GoogleがいかにしてOpenAIの収益モデルを破壊しようとしているのか、そのしたたかな戦略を分析します。
Googleの標的は「ChatGPT Go」一択
今回のGoogleの発表で最も注目すべきは、OpenAIが新設した「ChatGPT Go」との対比です。
OpenAIの苦肉の策「ChatGPT Go」

OpenAIは先日、無料版とPlus版(3,000円)の間を埋めるプランとして「ChatGPT Go」を発表しました。
| 価格 | 月額1,500円(米国8ドル) |
| 特徴 | 高性能モデルが使えるが、広告が表示される。 |
「お金を払っても広告が出る」という、ユーザーにとっては心理的抵抗の強いプランですが、OpenAIとしてはインフラコスト回収のために避けられない選択でした。
Googleの非情なカウンター「AI Plus」

これに対し、Googleが出した「AI Plus」はあまりにも非情です。
| 価格 | 月額1,200円(米国7.99ドル) |
| 特徴 | 高性能モデルが使え、広告はなし。さらに200GBストレージ付き。 |
競合より「300円安く」、かつ「広告がない」。この時点で、ChatGPT Goを選ぶ合理的な理由はほぼ消滅しました。Googleは、OpenAIが必死に開拓しようとした「ライトユーザー層」の収益源を、根こそぎ奪うつもりです。
Google vs OpenAI 全プラン徹底比較表
両社のプランが出揃った現在、AI市場は以下の4つの階層で争われています。
1. 廉価プラン対決(今回の主戦場)
ここが最も熱い戦場です。
| 比較 | Google AI Plus | ChatGPT Go |
|---|---|---|
| 価格 | 1,200円 | 1,500円 |
| 広告 | なし | あり |
| 特典 | Gemini 3 Pro利用可能 Google One 200GB付 | GPT-5.2(制限付き)利用可能 |
勝負は明白です。Googleは「広告なし」を安価に提供することで、「AIに課金するなら広告を見せられるのは嫌だ」というユーザー心理を完全に掌握しました。
2. 標準プラン対決
ヘビーユーザー向けの標準的なプランです。
| 比較 | Google AI Pro | ChatGPT Plus |
|---|---|---|
| 価格 | 2,900円 | 3,000円 |
| 広告 | なし | なし |
| 特典 | Gemini 3 Pro(上限緩和) 2TBストレージ | GPT-5.2フル機能 Canvas機能 |
ここは互角ですが、Googleは「2TBのストレージ」という実用的な人質を取っているため、AndroidユーザーやGmailユーザーにとってはGoogle有利です。
3. プロ・開発者向け対決
青天井の性能を求める層向けです。
| 比較 | Google AI Ultra | ChatGPT Pro |
|---|---|---|
| 価格 | 36,400円 | 30,000円 |
| 広告 | なし | なし |
| 特典 | Gemini 3 Ultra 動画生成Veoのフル機能 30TBストレージ | o1 Proモード(長時間推論) 無制限に近い利用枠 |
ここではOpenAIの「o1 Pro」や推論特化モデルのブランド力が勝る傾向にありますが、ターゲットは極めてニッチです。
Googleの「したたかさ」の正体

Googleの戦略が恐ろしいのは、AIの性能競争ではなく「体力勝負」に持ち込んだ点です。
OpenAIはAI一本で稼ぐ必要があるため、安価なプランでも広告を入れて収益性を確保しなければなりません。しかし、Googleは検索広告やYouTubeで莫大な収益があるため、AI単体の収支を度外視してでも「安くて広告のないプラン」を提供し、ライバルを兵糧攻めにすることができます。
「ChatGPT Go」が月額1,500円で広告を見せる横で、Googleは月額1,200円で快適な環境とストレージを提供する。これは、OpenAIに対して「広告モデルでの収益化は許さない」というGoogleからの強烈なメッセージです。
結論:今選ぶべきプランはどれか
両社の戦略が出揃った今、ユーザーが取るべき選択肢は明確になりました。
一般ユーザーの最適解:Google AI Plus(1,200円)
「月3,000円は高いが、無料版の制限は不満」という層にとって、これ以上の選択肢はありません。ChatGPT Goを選ぶと、高い料金を払って広告を見せられることになります。Google一択です。
クリエイター・仕事での利用:Google AI Pro(2,900円)
この層にとっても、Google AI Proが「一択」と言える状況になりました。 動画・画像を扱うマルチモーダル機能の優秀さに加え、「2TBのクラウドストレージ」と「各種Googleサービスとの連携」は、業務効率を劇的に変えます。
ChatGPT Plusと同等の価格帯で、大容量ストレージというインフラまで付いてくるアドバンテージは覆せません。

研究者・ガチ勢:ChatGPT Pro(30,000円)
推論に時間をかけてでも正解を導き出したい、という特殊な用途(科学研究や複雑なコーディング)には、3万円のProプランが唯一無二の価値を提供します。
Googleは、AI市場の「下」と「真ん中」のユーザーを、価格とストレージの力で根こそぎ囲い込みに来ました。OpenAIは今後、Goプランの価格を下げるか、広告を撤廃するか、苦しい対応を迫られることになるでしょう。




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